私たち制作の仕事の中に、「スタッフ集め」があります。
一番多いのは原画の依頼。
ひとつの作品にたくさんの原画マンが必要なので、
社外の原画マンにも声をかけ、スタッフを集めるのです。
もちろん声をかけたら必ずやってくれるわけではありません。
需要と供給が合わなければ断られてしまいます。
押したり引いたりの駆け引きが繰り広げられる交渉は、
まさに愛の告白です。
自分:「ピーエーワークスの今川と申します。お仕事の依頼なんですが、
今お時間宜しいでしょうか?」
(「C組の今川だけど。話があるんだけどちょっといいかな?」)
相手:あ、はい。
(「う、うん・・・。」)
自分:「今『花咲くいろは』という作品を制作中でして、
○○から○○くらいまでのスケジュールで、
原画をいくつかお願いできないかなと思いまして。」
(「前からずっと好きでした。付き合って下さい!」)
相手:「その時期ちょっと仕事がつまってて・・・。」
(「え?あ、その〜・・・、今別に彼氏とか欲しい感じでもないし・・・。」)
自分:「あ〜そうですか・・・。
ちょっとくらいならスケジュール伸ばせると思うんですがいかがですか?」
(「そ・・・そっか。じゃあ友達からとか・・・どうかな?」)
相手:「実はその後の次の仕事もう取っちゃったんですよね。」
(「あの〜・・・、ごめんなさい。実は今、好きな人がいるから・・・。」)
自分:「そうでしたか・・・。ちなみにそのお仕事はいつ頃までやってらっしゃいますか?」
(「そ、そうなんだ・・・。ちなみにそれってクラスのやつ・・・?」)
相手:「7月中頃くらいですかね〜。」
(「誰だっていいじゃん。」)
自分:「ではその頃にまた声をかけて宜しいですか?」
(「俺待つよ!君が振り向いてくれるまで!」)
相手:「その時になってみないとわかりませんね。」
(「振られた事に気づいてよね。」)
自分:電話を切る
(髪を切る)
失恋の数だけ制作は成長していきます。
タグ:PA今川